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ブーン系小説の感想を書いたり書かなかったり
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    自作品

    ラノベ祭り没作品 (絵NO32)


    呪われてると思う

    ――――

    1
    ('A`)「久しぶりだなー」

    (-_-)「うん」

     深夜のファミレスでレポートを片付けていたら、どうやら隣に客が案内されたらしい。
     他の席はガラ空きだ。店員てめぇ空気嫁や、と睨んでやる。
     何故私の隣に案内する。
     嫌がらせなのかそうなのか。

     こちとら明日までに仕上げなきゃいけなくて必死でword打ちまくってるって言うのに、


       私('、`#川の('A`)隣(-_-)は五月蝿いようです

    2

    ('A`)「そういや明日レポートの提出の日だったな」

    (;-_-)「え、ちょ、どっくん何やってんの、レポート書けよ」

    ('A`)「前没にしたのでいいや」

    (-_-)「なにその適当さ」

    ('A`)「じゃあおいしいカレーの作り方でも書いとくか」

    (-_-)「更に倍かよ」

     和やかに会話するんじゃねぇええええ!!!!

     ばん、と机に拳を叩きつけそうになり、慌てて降ろす。流石にそんな騒音を意味もなく立てられるほど私は短気じゃない。
     隣はどうやら男子学生の二人組のようだった。
     タイプの手を止めた。店の中が静かだからか、あまり大きくない彼らの声もよく聞こえた。

    (-_-)「……所で、メニュー何にする?」

    ('A`)「チョコケーキ喰いたいな……」


    かわいいなおい。

    3


    (-_-)「え……どっくんキモっ」

    ('A`)「何とでも言えや。甘いものが喰いたくて仕方無いんだよ。今ならジャンボパフェも食えるね」

    (-_-)「この前も言ってたよね其れ。そして最終的に吐いたよね……そんなんだからどっくん頭悪いんだよ、もてないんだよ」

    ('A`)「引きこもりには言われたくない」

    (-_-)「ニートにそんな資格は無い」

    ('A`)「俺は学生だからニートじゃない。そしてアルバイターだ」

    (-_-)「じゃあ僕も引きこもりじゃない、不登校だ」

    ('A`)「む……確かに」


     納得すんな一緒だよ!
     同レベルだよ!


    4


     脳内で突っ込んで、そうっと隣の机を伺う。

     一人は黒いぼさぼさの髪を中途半端に伸ばした青年だった。
     長い前髪から三泊眼が除き、やる気なさげに目の前の友人(らしい)を睨みつけるようにして見ている。
     口はだらしなく半開きで、覇気を根こそぎ破棄したような顔つきだった。
     安っぽい椅子に腰掛ける体も、ひょろひょろと頼りない。細長い。

    (-_-)「やっぱどっくんはあほだね」

     もう一人は言うと、これまた中途半端な長さで、しかし色素の薄い髪はぱしぱしと重力に逆らって跳ねている。どう見ても寝癖です。本当に有難う御座いました……。
     目は眠たそうに細められていて、隈が目立っていた。小柄とは言わないが、少なくともがっしりはしていない体をソファの上に縮こまらせている。
     世間と関わりたくありませんオーラでがりがりと周りの空気を削っていた。

     二人とも、決して顔立ちは悪くない。
     若干陰鬱そうな雰囲気ではあるけれど、それも憂いがどうのと言ってしまえば誤魔化せるだろう。


     まぁレポートが全く終わらない今、んな事ぁどうでも宜しい。

     ただ、


    5


    ('A`)「道程って詩、あるだろ」

    (-_-)「ああ、僕の前に道は無いって奴ね」

    ('A`)「あれさ、中学で暗唱させられたんだけどさ」

    (-_-)「どっくんの割には人道的な学校行ってたんだね」

    ('A`)「あれ、女子が童貞って言ってるみたいで興奮したな」

    (-_-)「しまった、どっくんが人道的じゃなかった」

     

     会話に突っ込みを入れたくて仕方が無い。
     って言うか興奮すんな。うんこちんちんで喜ぶ小学生の進化系かお前。

     引き篭もりのほうがメニューをばさりと仕舞ながら、つい、とあのぴんぽーんって鳴る奴を指差した。


    6

    (-_-)「じゃあ店員さん呼ぼうか」

    ('A`)「おう、あ、ぴんぽんって奴は俺が押す。むしろ押させろ。あれを押すことは俺にとっての割と至福の何かなんだ」

    (-_-)「嫌だね」

     ぴんぽーん、と店に木霊する。

    ('A`)「ああああああ、俺の楽しみを……」

    (-_-)「ふはははは、勝った」

     お前等は幼稚園児か。

     

    (-_-)「所でさ、この前久しぶりにショボに会ったよ」

    ('A`)「あああの常時疲れ目野郎か、どうだった? 元気だったか?」

    7


    (-_-)「お洒落なバーのマスターしてたよ」

    ('A`)「なんとまぁテンプレな……」

    (-_-)「相変わらず疲れ目っぽかったから、目薬(ぶん投げて)あげてきた」

     なんか括弧に入ってる入ってる!

    ('A`)「へぇ……、って言うかお前、引きこもりしてたんじゃないの? なんでお洒落なバーとか入っちゃってんの」

     ひきこもりが目薬ぶん投げるなよ!
     そしてお前の突っ込みどころは其処か!

    (-_-)「でも時々は動かないと体に悪いから、週一でジム行ってるんだよ。その帰りに、ふらっと」


     あっひきこもりじゃなかった! 健康的な学生だった! ちょっとリッチ!


    8

    ('A`)「すでに引きこもりじゃねぇよその行動……ジムって何、外人?」

    (-_-)「いや、体動かす所だけど。あ、そういやこの前ブーンが入ってきたんだよ、世間って狭いよね」

    ('A`)「せっまいなぁ……もう殆ど全員集合してんじゃねぇか」

    (-_-)「いや、長岡君とは会ってないけどね。どうしてんのかな」

    ('A`)「ああ、あいつ? 俺んちの上に住んでるよ?」

    (-_-)「まじ? 世間狭っ!」

    ('A`)「四畳間って感じだよな」

     いやそれは狭すぎだろう……。

     程なくして、店員が隣の席にやってくる。私の注文を聞いたのと同じ、へらへらした笑みの男性だ。
     ちょっと人を小馬鹿にしてるみたいで微妙にいらっと来る。カルシウムを摂ろうと思って牛乳をとりにいった。

    ( ´∀`)「ご注文はなんでしょうモナ」

    ('A`)「じゃあ、ドリンクバー二つと、このチョコドームって奴」

     どっくんと呼ばれている方の青年がメニューを指さす。おまえは? ともう一人に促した。

    9


    (-_-)「激辛タンメン一つとピリ辛チンジャオロース、あとキムチクッパと辛口冷やし中華で」

     

     辛ぇよ!
     そして多いよ!

     

    ('A`;)「おま……、金あんの?」

    (-_-)「あるある」

     ちょっとリッチだ!
     っていうかだからお前の突っ込みどころなんか違う!

     さらりと言い放ち、店員が復唱する。
     ドリンクバー二つ、がっしりカカオのチョコドーム一つ、超絶激辛タンメン一つ、本格ピリ辛チンジャオロースー一つ、熱々キムチクッパ一つ、辛口冷やし中華一つ。


    10

    ('A`)「っていうか俺の楽しみのぴんぽん奪いやがってヒッキーてめえ。店員さん、ちょ、今から連打して良いっすか」

    (; ´∀`)「え、いやいやちょっ、困るモナ」

    ('A`)「いやちょっとだけっすから」

    ( ´∀`)「いやいやいやいや……わかりましたよ、じゃあ一回だけどうぞ」

     店員心広いな!

     よっしゃやった店員さん有り難う! と青年は喜び勇んでぴんぽんってするあれを押した。
     ぴんぽーん、と静かな店内にチャイムが鳴り響く。

    (-_-)「なんか済みませんね……この子あほでして」

    ( ´∀`)「いやいや、あほだなんてそんな。一回くらいなら皆やりたがるものですモナ。
          息子さんの場合、普段の行いも良いですし」

     お母さんと先生の会話か。
     特に店員、こいつの何を知ってるよ。っていうか息子さんって。

     店員が席を去り、少しの間店内が静まり返る。
     BGMがだらだらと空間を流れた。
     窓の外からは車の通り抜ける音が滓かに聞こえる。

    11


    (-_-)「……ん? どしたのどっくん行き成りそんな凹んで。自分がもてないことに絶望したの? そんなのお互い今更じゃない」

     ひでぇなおい。

    ('A`)「……いや、ぴんぽんしてみたは良いけど、あんま楽しくなかった」

    (-_-)「ああそう」

    ('A`)「裏切られた……ウツダシノウ」

    (;-_-)「ええぇ、何を勝手に信じて勝手に裏切られてるの……。しかも死ぬのかよ」

    ('A`)「違います……死にたいんじゃないです、ただ生きるのが辛いだけです……出来る事なら俺だって長生きしたいさ、でも辛いんだよ……」

    (;-_-)「なんかほんとに切実!」


    ('A`)「バイト先でのストレスも半端無いし、応援してくれてた母ちゃんは体壊すし、なんかもう生きている事が情けなくて……」

    (;-_-)「えぇぇえ、ちょ、泣かないで! あほなの!? ねぇ?! ちょ、どこからそのロープ出したの?! 何処に結んでんの?!」

    ('A`)「鬱だ……もうほんと辛い……」

    (; ´∀`)「北京ダックのお客様――てウォォイ?! 何やってるモナ?! そのロープ何処に結んでんの?!」

     

    12
    ('∀`)「そうだ、死ねば新しい世界が待ってるんだ。レッツゴゥトゥコンビニィエンストァあああ!!!」

    (;-_-)「お前何処に行くのどっくん?! 新しい世界じゃないの?! コンビニ行くの?! お母さん悲しむよ?! 泣くよ?!」

    (; ´∀`)「え?! ロープでコンビニ行くの?! どうやって?! しかもコンビニ行くとお母さん泣くの?!」

     何この状況。

    ('∀`)「あははははひひぃ」

    (;-_-)「止めなさいどっくん! 童貞同盟を忘れたの?!」

    (; ´∀`)「え?! 何道程同盟って?!」

    ('A`)「え……? うん、何其れ」

     菜にこのじょうきょう。


    (#-_-)「忘れてやがったぁぁあああ!!」

    (; ´∀`)「だから道程同盟って何?!」

     

     頼むから静かにしてほしいんだけどなぁ!!!!

     

    13
    ('A`)「いやすまんせまん、ちょっとこの頃情緒不安定になってて」

    (-_-)「何を晴れやかに言うとるかこのど阿呆が。腎臓抉り出してかっ喰らわれたいんか。道路端にかんぴんたんになるまで放置されたいんか」

    ('∀`)「ははっ、方言出てるぞヒッキー」

    (-_-)「うぜぇきめぇ……しかも童貞同盟を忘れたときたよこの骸骨野郎、五体バラバラに引き裂かれてそれでも生き延びればいいよ」

     めっちゃ辛辣!

     

    ('A`)「いやさっきのはちょっと酸欠で意識が朦朧としてて……」

    (-_-)「君がぶら下がったの五秒足らずだろ? どんだけ朦朧とすんの早いの」

    ('A`)「今度から少しずつ軽い煙草にするよう心がける」

    (-_-)「煙草の所為か。止めればって言ったのに」

     

    14

    ('A`)「しかし懐かしいな、覚えてるぞ童貞同盟。童貞を捨てるまで決して死なず、そして童貞を死ぬまで守りきる……今考えたら結構矛盾してるなオイ」

    (-_-)「話逸らしやがったよこの駄目人間。肺癌が脳に転移して苦しめばいいのに」

     ああ、あるよね、同盟とか作っちゃうの。私もやったな……。っていうか割と罵倒がハンパねぇ。


    (-_-)「メンバー誰だっけ、僕にどっくんにブーンにショボに長岡君にビコーズと、」

    ('A`)「流石の兄の方と店長と信号機とぺけぽんと眼力とちんげと……」

     多いな童貞同盟。くだらない名前の癖に。
     序に渾名が酷いやつ多くないか。

    (-_-)「っていうかクラス全員だよね」

     バカだろお前らのクラス。

     

     っていうか全員ってことは男子校出身なんだろうか。

     

     

    (-_-)「女子含む」

     まさかの共学!


    15


    ('A`)「まぁ、ある意味最強だよな、女子」

    (-_-)「捨てようが無いからね、童貞」


     確かにそうだけどさ!
     っていうか童貞もくそも無いよ! だって基本的に突っ込むものが無いもの!


    ('A`)「なんか、男には処女も童貞もあるのに女子は処女だけってずるくない? 男だけノルマが倍みたいじゃね?」

    (-_-)「いや基本的に男には処女無いから。喪失しなくていいんだよどっくん、貞操守りきりなさい」

    ('A`)「あ、そうなんだ……良かった、守り切っといて」


    16

     どうでもいいけど花の女子大生の隣で処女喪失とかそういう会話止めてくれるかな!
     限りなく不快だよ! 甚だ不快だよ!

    ('A`)「まぁ……まだ童貞も守りきってるがな」


     カ  ミ  ン  グ  ア  ウ  ト  し  お  っ  た  !!!


    (-_-)「……何言ってんのさどっくん、そんなの分かりきってるじゃない」

    ('A`)「お前、」

     

    (-_-)「僕もだよ」

     

     だん!

     と、ひどい音が店に響きわたった。私が立ち上がるのに失敗した音だった。
     wordを保存して、スリープにしただけのノートパソコンを抱えて、レジに向かう。

    ( ´∀`)「に、二百三十円モナ」

     一万円札で払った。


    17

     

     

     


    ('、`*川「あー昨日は散々な目にあった」

     人の多い教室の、何とか見繕った席に着きながらつぶやく。あの後何とかレポートを仕上げ、提出出来た。

    ('、`#川「もうあの時間帯にはあそこ絶対いかねぇ」

     

    「ところでさ、同窓会とかやんない?」


     聞こえた声に、思わず固まる。心臓が高らかに脈打った。


    ('A`)「ああ、いいなそれ。ショボの店とかでやろう」

    (;-_-)「いや、バーで同窓会はどうかと思うけど……」


     こっちくんなこっちくんなこっちくんな

     


    18

     

    ('A`)「えー? 別にいんじゃね?」


    ミ('A`)  ミ(-_-)   ('、`#川
    ========================

     

     

     

    「私の隣に座るなぁぁぁああああ!!!!」

     

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